文書を差し出した日付やその内容、差出人、受取人を証明することができる郵便サービスである「内容証明」は、実にさまざまな場面で活用されています。
ここでは、そんな内容証明が、実際どんな時に送られてくる可能性があるのか、具体的なケースを一覧でまとめました。
「内容証明が送られてきた!」という実際の事例も取り上げながら解説しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、「内容証明を無視したらどうなるの?」「届いた内容証明が事実と異なる場合はどうすればいいの?」といった疑問への回答については、「☞内容証明が届いた!どうすべきなのか対処方法を解説」からご確認いただけます。
内容証明はどんな時に送られてくる?
ケース①「不倫(不貞行為)」
既婚者が不倫をすると、「不貞行為」として不法行為に該当し得ます。そのため、不倫した既婚者本人やその不倫相手に対し、不倫された方の妻・夫から内容証明が送られてくる可能性があります。
内容としては、不倫関係の解消や慰謝料の支払いを求めるものが一般的です。
ケース➁「離婚トラブル」
離婚トラブルにおいても内容証明はよく利用されています。
例えば、「協議離婚の通知をしたい」「養育費を請求したい」「子供との面会交流権を要求したい」「不貞行為の慰謝料を支払わせたい」などの目的が挙げられます。
ケース③「婚約破棄」
正当な理由のない婚約破棄は債務不履行や不法行為に当たり得るため、婚約破棄された側から内容証明が送られてくる可能性があります。
内容としては、「慰謝料を支払ってほしい」「式場のキャンセル料を支払ってほしい」といったものがあり得ます。
ケース④「未払い金の請求」
未払い金がある場合にも、内容証明が送られてくる可能性があります。
一口に未払い金と言っても色々なものがあり、例えば、「未返済の借金」「未払いの家賃」「未払い残業代」などが挙げられます。
ケース⑤「パワハラ・セクハラ」
職場でパワハラやセクハラの被害を受けたとして、内容証明が送られてくるケースも少なくありません。
パワハラ・セクハラ行為差し止めや慰謝料請求で本人に送られてくることだけでなく、会社に対して使用者責任や債務不履行責任等を問う内容で送られてくることもあります。
上記の例のほかにも、騒音をはじめとした近隣トラブル、会社や学校でのいじめ・嫌がらせ、クーリングオフ、ストーカー行為など、さまざまな法的トラブルにおける各種通知、請求目的で内容証明は送られています。
内容証明が送られてきた!実際の事例を紹介
最後に、内容証明郵便が実際に送られてきたという事例をひとつ、ご紹介します。こちらは、元交際相手から内容証明が送られてきた事例です。
内容証明郵便が送られてきました。内容は3年前の話になります。三年前は私には妻子供がいました。子供は3歳で妻は35歳でした。私は現在37歳になります。三年前の1月なんですが妻とうまくいっておらず毎日がぎくしゃくしていたところに一人の女性と知り合いました。歳は私より12歳ほど上でとても感じのいい女性でした。その女性とメールや電話するようになりやがては女性の家に出入りするようになりました。女性は一人暮らしでした。私は妻と別居するようになりその女性に離婚してほしいと何回も言われました。その年の10月に離婚届を提出したと妻の方から連絡がありました。そのころにはその女性とはあまり性格も合わず月に一度会ったらいいぐらいの友達感覚での付き合いでしたので別れましたが別れてから1年ぐらいその女性から夜中に何度もメールがきたり家の前で待ち伏せされたりといった毎日で何回警察に行こうかと思案しましたがやめました。それから私は妻と子供ともいい関係で月に一度あって遊びに行ったり食事に行ったりしています。先日内容証明郵便が送られてきました。内容は私と結婚の約束をしたとかまたは二人で住む賃貸マンションを探して電化製品やベットを購入したのでその金額を支払ってほしいと書いてありました。私は結婚の約束をした覚えもなくいきなりそんなことを言われても困っています。内容証明の最後には慰謝料200万と家具購入代金200万を口座に振り込めとなっていました。振り込みない場合は告訴するとなっていますがどうしたらいいでしょうか?結婚していた時の話なんで元奥さんに内容を説明しましたところ逆に相手を訴えるといっていますがどうなんでしょうか?いいアドバイスが頂けたら嬉しいです。
※引用元:Yahoo!不動産「教えて!住まいの先生」(https://realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/1229880647/)
こちらの事例は、書面内容の詳細が分からないため定かではありませんが、「婚約破棄された」という内容で送られてきた内容証明郵便であることが考えられます。
ケース一覧でご紹介しているように、不当な婚約破棄は不法行為ないし債務不履行にあたるため、慰謝料などの損害賠償請求を目的とした内容証明が送られてくる可能性があるのです。
ただ、男女間の事なので、この事例のように、互いの認識や主張が一致しないことも多々あるでしょう。送られてきた内容証明の内容に納得がいかない場合や、どう対処したら良いか分からない場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。