ここでは、夫や妻の不倫(不貞行為)が発覚したケースにおいて内容証明郵便を送る際に知っておきたいポイントを解説しています。
「夫・妻の不倫(不貞行為)を止めさせたい」「不倫相手に慰謝料を請求したい」といった方などは、ぜひ参考にしてください。
不倫(不貞行為)されたケースで不倫相手に内容証明を送るメリット
夫や妻の不倫(不貞行為)が発覚した場合に、不倫相手へ内容証明を送るメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
1.言った・言わないのトラブルを防げる
2.本気度を示して相手にプレッシャーを与えられる
3.慰謝料請求の時効を一時中断できる
上記3つの各メリットについて、以下でくわしく見ていきましょう。
言った・言わないのトラブルを防げる
不倫相手に対し「別れてほしい」「慰謝料を支払ってほしい」等と口頭で伝えただけでは、その証拠が残らないため、後々「そんなことは言われていない」等と相手が反論してくる恐れがあります。
しかし、内容証明を送付しておけば、その内容と送付日時、差出人、受取人が証明されるため、相手は言い逃れることができません。
本気度を示して相手にプレッシャーを与えられる
電話やメールで連絡したとしても、不倫相手は「無視していればそのうち諦めるだろう」「氏名や住所まで突き止めたりはしないだろう」等と考えるかもしれません。
しかし、内容証明が届けば、あなたの本気度が伝わるでしょう。
「裁判を起こされたらどうしよう…」「弁護士に相談したのかな…」等との不安から、すぐに交際を辞める可能性もあります。
慰謝料請求の時効完成を猶予できる
不倫相手への慰謝料請求には“時効”がありますが、配達証明付きの内容証明郵便を送付することで、時効の完成が一時的に猶予されます。
ただし、猶予期間は6ヶ月なので、その期間内に解決するのが難しい場合は、期間内に訴訟の提起等、別の手段をとることが必要です。
不倫相手に内容証明を送る前に知っておきたい注意点
夫や妻の不倫相手へ内容証明を送ることで、上で紹介したような複数のメリットが得られますが、以下のような注意点があることも知っておきましょう。
法的効力はない
内容証明郵便はそれ自体に法的効力があるものではないため、内容証明を送付したからといって相手に慰謝料を支払う義務等が生じるわけではありません。
脅迫にならないよう注意が必要
書き方によっては、「脅迫」として逆に訴えられてしまう可能性もあります。
専門家に頼むのなら安心ですが、自分で作成する場合には、感情に任せて脅迫めいた文言を入れてしまわないよう注意しましょう。
一度、冷静になることが大切です。
相手の氏名や住所が分からないと送れない
内容証明郵便は、相手の氏名と住所が分からなければ送付できません。分からない場合の方法として、以下の3つが考えられます。
職場に送付
不倫相手の勤務先が分かるのであれば、勤務先に「親展」で送付するという手もあります。ただし、名誉棄損で逆に訴えられるなどのリスクが伴うため、専門家に相談することをおすすめします。
自分で調べる
自分で不倫相手の情報を調べる方法もありますが、手掛かりがなければ、なかなか難しいかもしれません。また、逆に訴えられてしまうようなことのないよう、慎重に行動する必要があります。
探偵に依頼する
最も確実なのは、探偵に頼むことです。費用はかかりますが、独自の調査で氏名や住所を特定してくれます。また、慰謝料を請求する際に重要となる“不倫(不貞行為)の証拠”を集めてもらうこともできるので、より確実な慰謝料請求を行いたいのであれば検討してみましょう。
不倫相手に内容証明を送る方法
不倫相手に内容証明郵便を送る場合、専門家に依頼する方法と、自分で書いて自分で送る方法とがあります。
内容証明を専門家に依頼する
弁護士や行政書士などの専門家に内容証明の作成を任せる場合について、そのメリットや費用相場などを下記ページで解説しています。
内容証明を自分で書く
自分で内容証明を作成・郵送したい方のために、内容証明の作成ルールや送り方などを下記ページで分かりやすく解説しています。
不倫の内容証明の書き方&テンプレート
不倫されたケースで内容証明を送る場合の書き方(記載するべき項目)や、無料の書式テンプレートなどを下記ページでまとめています。
不倫相手に内容証明を送った後の対処法
最後に、不倫相手に内容証明郵便を送った後の対応について、確認しておきましょう。
保管期限が過ぎて戻ってきてしまったら
相手が不在で「不在票」がポストに入れられた場合、保管期限は1週間です。この期間内に受取りが行われないと、内容証明郵便は戻ってきてしまいます。
戻ってきてしまった場合には、相手の受取拒否が難しい方法を検討しましょう。なお、実家や勤務先に送るのはリスクがあるためあまりおすすめできません。弁護士に相談しましょう。
受け取り拒否については「☞内容証明を受け取り拒否されたら」でもくわしく解説しています。
承諾が得られたら
内容証明に記載した内容に応じる旨の回答が相手から来たら、まずは示談書を作成しましょう。慰謝料の受取などは、その次のステップです。
争う姿勢を見せてきたら
もし不倫相手が争う姿勢を見せたら、裁判や調停の手続きを検討しましょう。有利に事を運ぶためにも、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。
まとめ
不倫が発覚したケースにおける内容証明は、「不倫相手に心的プレッシャーを与えられる」「言った・言わないのトラブルを防げる」「慰謝料請求の時効完成を猶予できる」など、複数のメリットがあります。
ただし、書き方や送り方には注意が必要なため、知識がなく不安な場合には、専門家に相談するのがおすすめです。
自分で書いて送りたい方という方は、「☞内容証明の書き方・送り方」「☞内容証明作成に役立つ本を厳選」をぜひご参考ください。