内容証明が自宅に届いた方のなかには、「これって無視していても大丈夫…?」「無視することで、何かリスクが生じたりするの…?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな内容証明を無視しても大丈夫なのかどうかという疑問に対し、丁寧に解説をしています。
内容証明を無視することで生じ得るリスクや、知っておきたい注意点などを分かりやすくまとめているので、内容証明が届いて困っている方はぜひ参考にしてください。
内容証明に書かれている内容が不当な場合
届いた内容証明に書かれている内容が、まったくのデタラメであったり、明らかに不当な内容であったりする場合には、無視してもそれほど大きなリスクとはならないかもしれません。なぜなら、差出人は内容証明を無視されると訴訟等に移行することが多いですが、本当にその内容が不当ならば、裁判所で差出人の請求内容が認められない可能性が高いからです。
しかし、ここで注意すべきなのは、受け取った側が「まったくのデタラメだ」「明らかに不当だ」と考えても、それが正しいかどうかは分からないということ。つまり、受け取った側からすれば不当な内容であっても、差出人からすれば正当な内容かもしれない、ということです。差出人が訴訟を起こせば、最終的には裁判所が判断することになるため、結果は分かりません。
そのため、詐欺など誰がどう見ても間違いなく不当な内容証明でないかぎりは、一度弁護士などに相談することをおすすめします。
裁判所から届いた訴状は絶対に無視してはダメ!
ここで、もうひとつ注意が必要です。
もしあなたが内容証明を無視して、相手が訴訟を起こした場合。裁判所から「訴状」が届いたら、絶対に無視をしないでください。
訴状というのは、訴訟を起こす人(原告)がその主張を書いて裁判所へ提出する書類です。裁判所はこれを受け取ると、訴訟を起こされた相手方(被告)に対して、書留郵便で送付します。
この訴状を無視してしまうと、原告の主張を認めたものとして裁判が進められてしまうのです。つまり、原告が主張した通りの判決が下されてしまうことになります。
そのため、裁判所から届いた訴状は絶対に無視をせず、きちんと受け取ったうえで弁護士に相談しましょう。
正当性のある内容の内容証明が届いた場合
内容証明に書かれている内容に少しでも正当性がある場合には、迷わずに弁護士に相談しましょう。
既に上で触れているとおり、差出人は内容証明を無視された場合、次のステップとして訴訟などに移行することが考えられます。
裁判を起こされると経済的にも時間的にも心的にも大きな負担となるので、早めに弁護士に相談して裁判以外の解決策を講じるのも得策でしょう。
たとえ正当性があっても納得のいかない内容が含まれているなど無視したくなるケースもあるかもしれませんが、今後のリスクを考えると早めに弁護士に相談しておくのがおすすめです。
まとめ
今回は、届いた内容証明を無視しても大丈夫なのかどうかについて、「不当な内容の場合」「正当な内容の場合」というケース別に分けて解説しました。
最後に、大事な部分をおさらいしておきましょう。
・明らかに不当な内容証明の場合は無視してもリスクは少ないが…受取人が不当と考えても差出人からすれば正当な内容かもしれないので、自己判断せず弁護士に相談するのがおすすめ。
・正当な内容が含まれている場合は迷うことなく弁護士に相談を。
・裁判所から「訴状」が届いた場合には絶対に無視をしてはダメ!
内容証明が届き、「無視しても良いのかな…」と悩んでいる方は、ぜひ今回の内容を考慮したうえで、弁護士に相談することを検討しましょう。