ここでは、内容証明を送付したのに、期限になっても返事がない…、ずっと無視されている…、といった場合に、差出人がとれる対処法についてご紹介しています。
内容証明の返事がこなくて困っている方は、ぜひ最後までご確認ください。
返事がなくて困るのは相手のアクションが必要なケース
内容証明は、送付したからといって、相手方が必ず返事をくれたり、書面に書いた要望どおりに対応してくれたりするとは限りません。なぜなら、内容証明はあくまで郵便サービスのひとつであって、法的な強制力があるものではないからです。(☞内容証明の法的効力についてくわしくチェックする)
しかし、返事がない場合でも、内容証明が相手方に到達したことで目的を果たせるケースにおいては、さほど問題ではありません。たとえば、時効の援用や、クーリングオフなどはこれに当てはまります。
一方で問題となるのは、相手がアクションを起こしてくれなければ意味がないケースでの内容証明です。例を挙げるならば、「未返済になっている金銭を早く支払ってほしい…」「精神的損害に対して慰謝料を支払ってほしい…」といった目的で送る場合などです。
こうしたケースでは、相手が動いてくれなければ、こちらの目的を果たすことができないため、いつまで経っても返事がないのであれば、次の手を検討する必要があります。
考えられる対処法としては、主に、以下のようなものが挙げられます。
もう一度送付してみる
内容証明を送ったにもかかわらず返事がない場合、考えられる理由のひとつとして、相手が煩わしさから対応を後回しにしている、放っておいても大丈夫だろうと高をくくっている、といったものが考えられます。
このような理由で返事がない場合には、もう一度内容証明を送ってみることで、相手方が「どうやら無視できなそうだな」「対応しておいた方が良さそうだな」と考えて、アクションを起こしてくれる可能性があります。
もちろん、事案の内容や、相手が返事を返してこない理由にもよりますが、こうした繰り返しの送付によって実際に相手が動き出すケースもあることを知っておきましょう。
専門家名義で送ることも検討する
なお、内容証明郵便に弁護士など専門家の名前が入っていたり、事務所名が入っていたりすることで、相手のプレッシャーがより大きなものとなり、優先度が上がる可能性もあります。
そのため、自分で送った内容証明に返事がない場合には、弁護士や行政書士などに相談してみるのもおすすめです。
法的手続きを進める
「いつまで経っても返事がない」「何度も内容証明を送っているのに返事がない」「連絡しても、うんともすんとも返ってこない」といった場合、最終的には法的手続きに出るほかないでしょう。
相手に無視され続けたまま何もせずに放置していても、事態は一向に進展しません。いつの間にか何年も経ってしまった…なんてこともあります。
民事事件における法的手続きの種類はいくつかあり、主なものとして、「支払督促」「少額訴訟」「調停申立」「通常訴訟」「仮差押え」の5つが挙げられます。
これら民事事件における各法的手続きの詳細については、「☞内容証明の後にとれる法的手続き!5つの種類を丁寧に解説」でくわしく説明しています。「返事がない…」とお困りの方、「もう法的手続きに進むしかない!」とお考えの方はぜひそちらも参考にしてください。
まとめ
今回は、「内容証明を送ったのに無視されている…」「いつまで経っても返事が届かない…」といった場合の、主な対処法をご紹介しました。
最後に、ここまで解説してきた内容を、おさらいしておきましょう。
・内容証明に法的強制力はなく、相手から返事がない場合もある。
・返事がない場合でも、内容証明が到達した時点で目的が達せられるケースではさほど問題ない。
・相手方のアクションが必要なケースでは、「もう一度送ってみる(専門家名義での送付も検討)」「法的手続きにステップアップする」といった対処法がある。
内容証明を送って返事がないからといって、泣き寝入りをするしかないわけではありません。今後どう進めていくのがよりスムーズなのかを知るためにも、一度弁護士などの専門家に相談してみるのもおすすめです。 ☞内容証明を専門家に相談するメリットや費用相場をくわしくチェックする
なお、当サイトでは、内容証明を受取拒否された場合や反論された場合、また内容証明の要求内容に相手方が同意を示した場合の対処法などについても、くわしく解説しています。興味のある方は、ぜひそちらも「☞次の手は?返事がない時は?内容証明を送った後の注意点」よりご参考ください。