内容証明を送った結果、相手方がこちらの要求内容に承諾するなどして合意に至った場合には、「示談書」を作成するケースも多いです。
こちらのページでは、そんな「示談書」について、作成するメリットや作成方法などをくわしく解説しています。
「示談書」とは?
まず「示談」とは、裁判によらずトラブルの当事者間で話し合い、合意に至ることです。
そして「示談書」とは、その合意内容を書面にしたものです。
示談書の法的効力は?
示談は「和解契約」にあたるものです。そのため、その契約内容を記した書面である示談書は、契約書としての法的効力を持ちます。
示談書に記した約束が破られてしまい裁判などに発展した場合には、きちんと合意があったことを示す証拠書類として使える、ということです。
また、示談書を「公正証書」のかたちで作成することで、より強い法的効力を持たせられます。
強制執行認諾条項を入れる等の条件を満たせば、強制執行力を持たせることも可能です。
※公正証書とは…公証役場にて公証人により作成される公文書のこと。
示談書に記載する主な項目
ここからは、示談書を作成する際に知っておきたいポイントをチェックしていきましょう。
まずは、示談書に記載される一般的な項目をまとめました。
(※事案によって項目内容や項目数は違ってきます。あくまで一般的な例としてご確認ください。)
・書面のタイトル(※「示談書」等)
・当事者全員の氏名や生年月日等
・事案の内容(※例:交通事故のケースならば事故の日時や場所、負った怪我など)
・示談金について(※金額、支払い方法、支払い期日など)
・示談金以外の示談内容について(※謝罪について、免責事項について、守秘義務についてなど)
・遅滞や不履行について(※期限の利益喪失、遅延損害金など)
・清算条項(※示談書に記載されている内容以外には互いに何らの請求権も存在しないという確認の為の項目)
・示談の成立日
・各当事者の署名捺印
示談書の枚数、サイズは決まってるの?
示談書に規定のサイズはありません。ただ、A4サイズで作成されることが多いようです。
枚数にもとくに規定はなく、何枚になっても問題ありません。なお、複数枚にわたる場合には「割印」をしておくのがおすすめです。
ちなみに前述した「公正証書」として作成する場合には、1枚ごとに費用がプラスされていくので、頭に入れておきましょう。
示談書は何部作成するの?
示談書は、当事者の人数分作成して、各当事者が保管しておきます。当事者が2人なら2部、3人なら3部作成し、それぞれ1部ずつ持っておくということです。
なお、公正証書というかたちで示談書を作成する場合には、通常、公証人が原本を保管し、当事者に対しては正本・謄本が渡されます。正当な事由があれば、正本が複数交付されることもあります。
まとめ
今回は、内容証明のやり取りなどでトラブル相手と合意に至った場合に作成されることも多い「示談書」について、作る意味や、作り方などをくわしくご紹介しました。
最後に、押さえておくべき大事なポイントを一覧にまとめたので、おさらいしておきましょう!
・示談書は合意内容を記す書面
・示談書には契約書としての法的効力がある
・合意があったことを示す証拠書類になる
・枚数やサイズの規定はない
・当事者の人数分作成して各自保有する
示談書は、せっかく合意に至ったトラブルが蒸し返されたりすることを防ぐ重要な書類です。また、合意内容が破られて再びトラブルになった際には合意の証拠資料となり得ます。
意味のある適切な内容の示談書となるよう、作成の際には、内容証明同様に、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。